"Fresh concert -CMD2005-"
〜より豊かな音楽の未来をめざして
出演者のメッセージ


《秋山 有子(あきやま・ありこ)/ピアノ》

このたびはフレッシュコンサートに出演させていただくことになり、大変うれしく思っております。
今回演奏する、ベートーヴェンのピアノソナタ第26番〈告別〉は、掘り下げて追求していっても底がないのではないかという位、深い深い曲です。私がどこまで“掘れて”いるのか疑問ではありますが、コンサートでは今の私における最高の演奏をお聴かせできればと思ってお
ります。


☆*+★+*☆*+★+*☆*+★+*☆*+★+*☆★+*☆*+★+*☆


《谷坂 仁美(たにさか・ひとみ)/ピアノ》

  このたびフレッシュコンサートに出演する機会を与えていただきまして、どうもありがとうございます。
  ラフマニノフは、異なる24の調性による24曲のプレリュードを書いています。今回はその中から4曲を演奏いたしますが、ラフマニノフ独特のロマンティシズムをそれぞれの曲で表現できればと思っています。

☆*+★+*☆*+★+*☆*+★+*☆*+★+*☆★+*☆*+★+*☆
 
《高橋 絵理(たかはし・えり)/ソプラノ》


 今回、歌劇「ウィリアム・テル」の王女マティルデのアリア“暗い森、荒れ果てた悲しい野よ”を歌わせて頂きます。このオペラは、弓矢の名手ウィリアム・テルが息子の頭上のリンゴを射抜くというシーンで有名なシラーの同名の戯曲をロッシーニがオペラ化した雄大なオペラです。オリジナルはフランス語ですが、今回はイタリア語で歌います。このハプスブルク家の王女マティルデのアリアは、敵であるテルの息子アルノルドに恋をして歌われる曲です。マティルデの切ない想いを表現できたらと思います。
 私にとって、大学院を卒業して最初の演奏会となります。このような機会を与えて下さった中島先生には、大変感謝しております。精一杯歌いますので、楽しんで頂けたらと思います。

☆*+★+*☆*+★+*☆*+★+*☆*+★+*☆★+*☆*+★+*☆

《高原 史乃(たかはら・しの)/ソプラノ

 この度フレッシュコンサートに出演させて頂くことが出来、大変嬉しく思っております。
 学生の時とは違い、これから社会に出て音楽を勉強し、演奏を続けていくこと自体難しくなっていくのだと思いますが、いつでも自分らしさや音楽に触れる喜びを忘れず、演奏を続けていきたいと思っております。今回の演奏会は第一歩と思っております。
 今回は歌曲とオペラのアリアを一曲づつ選ばせて頂いたのですが、歌曲とオペラというそれぞれまた違う魅力をひきだせる演奏ができたらと思っております。宜しくお願い致します。

《久保 智美(くぼ・ともみ)/オンド・マルトノ》

このコンサートに出演させて頂けることになり、私はあえてオンド・マルトノ独奏の為に書かれた作品を選ばせて頂きました。なぜなら、日本ではまだまだ知られていないフランスの電子楽器「オンド・マルトノ」の魅力、そして「現代曲」と枠組みされ、敬遠されがちな昨今の作品を知って頂きたいと思ったからです。いわゆる「現代曲」といわれる作品に触れる時(オンド・マルトノは20世紀初めに生まれた楽器。オネゲル、ミヨー、メシアンなど20世紀を代表するフランスの作曲家達もこの楽器の為に作品を残している。)、
「何故ここにたどり着いたのか」ということを考え、私たちが生きる現代までの歴史を振り返ります。「現代曲」というのは決して身を構えて聴くものではなく、むしろ私たちに一番近い感覚を持っているものだと思います。今を生きる私達にしかできない、今の時代に生まれる作品に、オンド・マルトノという楽器と共にこれからも挑戦していきたいと思います。

☆*+★+*☆*+★+*☆*+★+*☆*+★+*☆★+*☆*+★+*☆


 《朴 成姚(パク・ソン・ヨ)/ピアノ》

 この度は、ONBUKAI主催の下でフレッシュコンサートに出演できることを大変嬉しく思います。今回私が演奏致しますベートーヴェンの《エロイカ(英雄)変奏曲》は、彼が31才の時に作曲された作品でありますが、この頃彼は耳疾に悩まされ、ハイリゲンシュタットの村を訪れ、そこで弟にあてた書き置き「ハイリゲンシュタットの遺書」を残し、自殺を思いとどまったことを告げています。このように失意のどん底に突き落とされる彼でしたが、この曲からはそんな彼の苦悩はまったく感じられません。時には繊細な部分もありながら、全体としてベートーヴェンらしい力強い曲となっています。彼は作曲に打ち込むことで、この絶望から素早く立ち直ることができたのでしょう。この後も《ヴァルトシュタイン・ソナタ》や《熱情・ソナタ》などの大作を次々と残しています。
今回は、このように強い精神力のもとで作曲された、《エロイカ変奏曲》を私なりに解釈した私のベートーヴェン像として、みなさんに伝えられたらと思います。

☆*+★+*☆*+★+*☆*+★+*☆*+★+*☆★+*☆*+★+*☆


《折田いづみ(おりた・いづみ)/メッゾ・ソプラノ》

 徹底的にソプラノが主役のイタリアオペラ(もちろん例外もありますが)とは対照的に、フランスオペラにはメゾ・ソプラノを主役に据えた作品が多いようです。
 これはきっと、フランス人がメゾ・ソプラノを自分たちの言語を歌うのに理想の声域・音色であると考えていたからに違いありません。ビゼーの『カルメン』もサン=サーンスの『サムソンとデリラ』も、タイトルロールはお姫様や薄幸の美女といったいわゆる"ヒロイン"とは一味も二味も違った、悪女、ファム・ファタル(運命の女)の役柄です。この魅力的なキャラクターたちを、それぞれのアリアの中でどう表現するかが今回の私の課題だと思っています。

☆*+★+*☆*+★+*☆*+★+*☆*+★+*☆★+*☆*+★+*☆


《富田 紀子(とみた・のりこ)/ピアノ》

 はじめに、中島洋一先生をはじめ、日本音楽舞踊会議の先生方へ「フレッシュコンサート CDM2005」出演という素晴らしいチャンスを与えてくださったことに、心より感謝申し上げます。
 卒業後、友人や先輩方のお力を借りながら地方で演奏活動という修行を続けておりますが、やればやるほど自分の力不足を突き付けられる毎日です。将来バタンと倒れるその日まで、生涯のプライオリティとして精一杯頑張ってゆきたいと考えています。
 さて、今回演奏するC.DEBUSSYは、私の最も敬愛する作曲家のひとりです。彼の音楽を描けば描くほど、彼の観ている情景がフィルムとなって蘇る印象を受けます。特に「交代する三度」「花火」を含む「前奏曲集」は、風、月の光、水面、教会の鐘の音など・・・自然のなかで振動するすべての美が修められています。
 当日、同じ空間というキャンパスを通して、聴きにいらしてくださった皆様と一緒に、新たな画を描けたら、幸いです。何卒よろしくお願い申し上げます。

☆*+★+*☆*+★+*☆*+★+*☆*+★+*☆★+*☆*+★+*☆


《佐藤 大介(さとう・だいすけ)/ピアノ》


 昨この度、声楽家の渡辺裕子先生からご紹介頂き、フレッシュコンサートに出演させて頂く事になりました。大変貴重な機会を与えて頂きまして、
心より感謝致しております。私の演奏する曲は、現在最も意欲的に勉強しておりますシューマンの若い頃の作品です。
悩み多き時期のシューマンのとても情熱的な曲ですので、とても表現が難しいですが、学生の頃からとても憧れていた曲で、
フレッシュコンサートで演奏できることをとても楽しみにしております。



 Fresh Concert CMD2005 のトップへ