"Fresh concert -CMDJ2020-" ~より豊かな音楽の未来をめざして
出演者に訊く!
Fresh Concert は、本年4月13日に第18回の開催を迎えるはずでした。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大によって、本番が二週間足らずに迫った4月2日にやむなく中止を決定しました。多くの出演者が新型コロナの感染拡大に不安を抱きながらも、本番で精一杯の熱演を披露することを目標に、努力を積みかさねていただけに、まことに残念でしたが、お客様と出演者の安全を配慮した上でのやむおえぬ処置でした。
しかし、例年通り本番に向けてチラシを作成し、出演者へのアンケートも行いました。アンケートの回答から、出演予定だった方々のなみなみならず意欲が感じられます。
それで、出演者の皆様の了解をえて、アンケートの回答をホームページに掲載することにしました。
以下が、今年用意したアンケート項目です。
1.今回のコンサートへの抱負、演奏する曲に対する思いなどを、メッセージに込めて表現してください。
2.あなたが、音楽の道をめざしたキッカケを教えてください。
3.取り組んでみたい研究テーマ、挑戦してみたい、作曲家、作品は?
4.10年後のあなたは、どんな生活を送っていると思いますか?(夢、希望でもいいです。)
5.近年は、マララ・ユスフザイさん「女性教育問題」、グレタ・トゥンベリさん (地球温暖化問題)など、ごく若い人 たちの発言と行動が、世界中で大きな反響を読んでいます。そのような動向について、あなたはどのように考えまか。
6.塞ぎ込んだとき、どんなことで気晴らしをしますか?
7.その他(書きたいことをなんでも書いて下さい。書かなくともいいです)
1.はアンケート項目というより、このコンサートに寄せた各出演者のメッセージであり、毎回掲載していますが、各自
の演奏に対する意気込みが伝わる、力のこもった文が多かったようです。
2.の質問については、それぞれの人に微妙に違いますが、やはり、先生やご両親の影響が大きいようです。
3.については、みなさんがそれぞれ抱負を抱いているようです。。
4.昨年度は80才になった時のことを問うてみましたが、今年は10年後の近未来について問うてみました。
夢を語る人もおりましたが、実現出来そうな目標を掲げている人も、多かったように思います。
5.は、過去のアンケートのはない質問項目でしたが、やはり自分より若いか、どう世代の若い人の発言、行動に注 目し、敬意と共感を抱く人も多いようですが、SNSなど、新しいメディアの力に注目する発言も多かったようです。
6.塞ぎ込んだ時の気晴らしの方法については、回答者の個性が伺えて、興味深く感じました。
なお、今回は、二名の方については、過去のFresh Concertに出演された方に、友情出演をお願いしましたが、友情出演者のお二人には、メッセージだけお願いしました。
では、本年のコンサートに出演する筈だった、9名の方々の、メッセージとアンケート回答をご覧ください。
① 宮澤 茉衣(ピアノ)
1.今回のコンサートへの抱負、演奏する曲に対する思いなどを、メッセージに込めて表現してください。
このような素晴らしい機会をいただき大変嬉しく、心より感謝いたします。
今回私が演奏するショパンの幻想曲は、ショパンの晩年における代表作のひとつとして数えられています。
この曲のことはCDで何度か耳にしたことはあるものの、どちらかというとバラードやスケルツォ、マズルカの方に惹かれ、なぜかあまり心に留まることはありませんでした。しかし、私が今師事している江澤先生がこの曲を演奏されていて、とても衝撃を受けたことを鮮明に覚えています。とてもドラマチックであり、かつ秩序を保たれた中に自由さも兼ね備えていて、こんなにも魅力的で素晴らしい曲であったということに気付かされ、自分もこの曲を演奏したいと思いました。
この曲には嘆き、激情、歓喜、憧れや祈りなどといった様々な表情があります。ショパンのピアニズムを理解し、深い情感を持って、自分なりにこの作品の素晴らしさを伝えられるように演奏したいと思います。
2.あなたが、音楽の道をめざしたキッカケを教えてください。
自分の人生を振り返って素直に自分に問うと、音楽の道に進むと心に決めたことはありません。小さい頃から続けてきていた唯一のことがピアノだったので、今更別の道に進むことなどできないと勝手に思い込んでいました。
ですが附属高等学校に入学してから、様々な音楽に触れる機会が増え、音楽の楽しさに気付き、嬉々として音楽をするようになりました。
3.取り組んでみたい研究テーマ、挑戦してみたい、作曲家、作品は?
ベートーヴェンの後期3大ピアノソナタ op.109,110,111と、「ハンマークラヴィーア」Op.106です。特に後期3大ソナタは、自分の音楽人生において、3曲を同日に連続して演奏したいと強く思っております。
4.10年後のあなたは、どんな生活を送っていると思いますか?(夢、希望でもいいです。)
仕事をしながら、隙間時間や空き時間を見つけてピアノの練習と研究を続けられていると嬉しいです。人前で演奏する機会というのは歳を重ねていけばいくほど、自発的に動かない限り、減っていくものと感じているので、自分たちで演奏会を企画したりして演奏活動も一緒にしていたいです。
5. 近年は、マララ・ユスフザイさん(女性教育問題)、グレタ・トゥンベリさん (地球温暖化問題)など、ごく若い人たちの発言と行動が、世界中で大きな反響を呼んでいます。そのような動向について、あなたはどのように考えますか。
ユスフザイさんは私と同い年で、トゥンベリさんはなんと5つも年下の方です。勇気を持った行動に大変励まされました。ただ、残念なことに指示を受ければ受けるほど、それを相入れない批判する声が挙がることも避けては通れません。メディア社会において、報じ方ひとつで簡単に印象操作ができてしまいます。訴えあげられたことにもう一度向き合い、ひとりひとりが自分の意見と思考を持って欲しいと思います。
6.塞ぎ込んだとき、どんなことで気晴らしをしますか?
ジョギングウェアに着替えてクラシックを聴きながら30分から最大で1時間ジョギングをします。息をたくさん吸い、体を動かすこと、また、緑・自然を目にすることで、脳がリフレッシュさせられます。
それでもダメな場合は精神に不安がある状態だと思いますので、原因はなにか根本的に解決をするために、信頼できる友人や先生に相談をします。
②小澤 恵美(クラリネット)
1.今回のコンサートへの抱負、演奏する曲に対する思いなどを、メッセージに込めて表現してください。
この度フレッシュコンサートに出演させていただけること大変嬉しく思うと共に、心から感謝しております。
今回演奏する曲は、ロシアの作曲家であるローゼンブラットが、オペラ「カルメン」の中の有名な旋律を用いて作曲しました。
ジャズのハーモニーやリズムを用いている、お洒落でかっこいい作品です。大学1年生の時から演奏したかったので、コンサートがとても楽しみです。皆様にも楽しんで聴いていただけるよう精一杯演奏致します。
2.あなたが、音楽の道をめざしたキッカケを教えてください。
中学生の時にシエナ・ウインド・オーケストラにとても憧れて、指揮者の佐渡裕さんも大好きだったので、この楽団で演奏したい!と思ったのがきっかけです。
3.取り組んでみたい研究テーマ、挑戦してみたい、作曲家、作品は?
21世期の音楽に積極的に取り組んでいきたいです。邦人作品にも挑戦してみたいと思っています。
4.10年後のあなたは、どんな生活を送っていると思いますか?(夢、希望でもいいです。)
どのような形でも音楽を続けていたいです。
自分の子供にも音楽を好きになってもらうのが夢です。
5. 近年は、マララ・ユスフザイさん(女性教育問題)、グレタ・トゥンベリさん (地球温暖化問題)など、ごく若い人たちの発言と行動が、世界中で大きな反響を呼んでいます。そのような動向について、あなたはどのように考えますか。
周りから反感を買ったり狙われたりしても尚、自分の意志を貫いていて、とても勇気のある行動だと思います。
6.塞ぎ込んだとき、どんなことで気晴らしをしますか?
その時々で違いますが、学校帰りに遠回りしたり、ひたすら寝たりします。塞ぎ込む原因になったものから一旦離れ、何も考えない時間を作ります。
③ 庄 恵理香(ピアノ)
1.今回のコンサートへの抱負、演奏する曲に対する思いなどを、メッセージに込めて表現してください。
本日はこのような素敵な機会をいただき、そして足を運んでくださり、誠にありがとうございます。今年は皆さんもご苦労されている通り、例年にない混乱と不安の中、さぞ大変な生活を強いられていることと存じます。大規模な催しの自粛が求められ、演奏会も例外なく中止や延期等の措置が取られてきました。それにより涙を飲んだ演奏家、学生たちの存在を忘れるわけにはいきません。
その中で、演奏する立場である私たちに一体何ができるのか、改めて考え直す機会を与えられた気がしました。大きな脅威の前にあっては本当に何もできないのか。人々に寄り添えるはずの音楽を演奏会という手段で生かす他にはないのか。
はっきりと言ってしまえば、会社で働く人々は在宅勤務やテレワークで対応することができますが、演奏会は生の演奏を体感しその活躍を応援しに行くことが目的です。対面のコミュニケーションが大きな役割を果たし、私たち演奏者もその一人ひとりに届くよう願いながら演奏します。会社の働き方を変えることと、感染リスクが高いと言えない演奏会の中止・延期は同じではないのです。
この数週間、幾度となく演奏会の中止を知らせる案内を目にしてきました。そこにはいつも演奏家や学生の悲痛な叫びや時には怒りが伴い、それを目にする私たちにもそのつらい心情が手に取るように伝わってきます。対面のコミュニケーションを通じて自分の音楽、思いを伝えられないもどかしさ、切なさが私にも理解できます。この事態の収束を願いつつ、今後も生の演奏を届けるとはどういう役割、責任があるのか、考え続けていこうと思っています。
2.あなたが、音楽の道をめざしたキッカケを教えてください。
詳しくは覚えていませんが、5歳半ば、保育園の歌の時間に先生が伴奏してくれるのを見て、「かっこいいな、伴奏をしたいな」と思ったのがきっかけだったと思います。これから共演ピアニストとして演奏していきたいと思っているので、そのことがルーツにあるのかもしれませんね。
3.取り組んでみたい研究テーマ、挑戦してみたい、作曲家、作品は?
大学院での研究に通じるのですが、フランスのフローラン・シュミットという作曲家のピアノ作品について研究したいと考えています。彼の書いたピアノ作品は少ないのですが、独特な色を感じられとても素敵です。いつか皆さんにもお聴きいただきたいと思っています。
4.10年後のあなたは、どんな生活を送っていると思いますか?(夢、希望でもいいです。)
演奏活動によって自立した生活を送れるようになっていたいです。また、様々な楽器の演奏家の方々と交流を深め、新たなアンサンブル形態を生み出していけたらと考えております。
5. 近年は、マララ・ユスフザイさん(女性教育問題)、グレタ・トゥンベリさん (地球温暖化問題)など、ごく若い人たちの発言と行動が、世界中で大きな反響を呼んでいます。そのような動向について、あなたはどのように考えますか。
彼女たちのように、ある問題に対して困っている人の意見を代弁し、自分の意見も臆することなく表明できる方は尊敬します。
ただ、発言した直後は脚光を浴びるものの、大人の「知ったようなことを言って」といった声で封じ込めてしまっている印象も持ちますし、必ず風化します。彼女らのSOSに耳を傾け、はっと気づかされる大人はどれだけいるのでしょうか。
若くして確固とした考えを持ち、勇気を持って世界へ発信した彼女らを称賛すると同時に、その本質を確かめ、根本的な解決へと繋げる役割を果たすのは大人の責任だと思っています。直接関わることができなくても、「そんなことがあったんだ」と済ませてしまうのではなく、それをきっかけに物事に常に疑問を抱き、考え続けられる大人になれたらと願います。
6.塞ぎ込んだとき、どんなことで気晴らしをしますか
気晴らしという気晴らしはありませんが、気持ちが塞いでしまったら、しばらくは本を読んだり仮眠を取ったりして気持ちを切り替えるよう努力します。塞ぎ込む内容は自分の音楽性であることが少なくないので、そういった時に音楽は聴けないです。皮肉でしょうか。
ど
④ 酒向 佑実(ソプラノ)
1.今回のコンサートへの抱負、演奏する曲に対する思いなどを、メッセージに込めて表現してください。
この度は、このような素晴らしい演奏会で歌う機会を頂くことができ、とても嬉しくて思っております。
今回は、春の演奏会なので、花にちなんだ曲を選びました。
一曲目のクィルターは、1877年生まれのイギリスの作曲家です。100曲以上の歌曲を残しています。温かい和音や親しみやすいメロディの歌曲を多く作曲しています。
「行け、麗しのバラよ」は、エドモンド・ウォラー(1606-1687)というイギリスの詩人によって書かれた詩です。好きな人にバラを贈ろうとしていて、そのバラを通じて「素敵だ」と伝えられたらいいな、という内容の歌です。
二曲目は、小林秀雄(1931〜2017)が作曲した「すてきな春に」です。この曲は歌曲ですが、小林秀雄が演奏会用アリアとして作曲しています。冒頭、心から溢れる思いをレチタティーヴォ風に歌い、春への喜び、また恋のときめきが優雅な三拍子にのせて歌われます。
春の始まりの演奏会に、花の香りや心の高鳴りを感じて頂けるよう、演奏いたします。
2.あなたが、音楽の道をめざしたキッカケを教えてください。
中学三年生の時、音楽の先生に勧めていただいたのをきっかけに声楽を始めました。始めると、歌の魅力にどんどん引き込まれ、音楽大学に入りたい、と思い国立音楽大学に入学しました。その後、大学院の先輩方の演奏に憧れ、歌を学び続けたいと思い、大学院に進学し、英米歌曲を修了のテーマに選び、勉強いたしました。
3.取り組んでみたい研究テーマ、挑戦してみたい、作曲家、作品は?
大学院から勉強を始めた英米歌曲について、より勉強していきたいです。特に、詩人と作曲家との関係性を学びたいと思っております。また、時代に関わらず、沢山の作曲家の音楽に触れたいと思っております。
4.10年後のあなたは、どんな生活を送っていると思いますか?(夢、希望でもいいです。)
歌手として活躍したいです。英米歌曲の魅力を伝えられる歌い手になりたい、と思っております。
5. 近年は、マララ・ユスフザイさん(女性教育問題)、グレタ・トゥンベリさん (地球温暖化問題)など、ごく若い人たちの発言と行動が、世界中で大きな反響を呼んでいます。そのような動向について、あなたはどのように考えますか。
若い頃から世間に関心を持ち、自分たちの未来を切り拓いていくことは、とても良いことだと考えます。
しかしながら、若い故に未熟であったり、未知であることも自覚する必要もあるのではないかと思います。若い世代からの発信は世界に新たな視点をもたらすと思いますが、それに対して年長者がどのように反応するのかによって、本当に世界が変わっていくかが決まっていくのでは、と考えております。
SNSなどで簡単に意見を発信できる時代なので、この力を上手に利用し、クラシック音楽の世界も若い世代から、盛り上げていきたい、と考えております。
6.塞ぎ込んだとき、どんなことで気晴らしをしますか?
友人と外に出かけたり、ご飯を食べて、他愛のない会話をして、気晴らしをします。中・高・大学で出会った友人は、私にとってかけがえのない存在です。嫌なことがあっても、友人の顔を見るだけでホッとし、パワーがチャージされていきます。
⑤ 川畑 哲佳(ピアノ)
1.今回のコンサートへの抱負、演奏する曲に対する思いなどを込めたメッセージをお願いします。
この度は、このような素晴らしい演奏会への出演の機会を頂き大変うれしく思っております。今回演奏します曲は、メシアンの傑作、「幼子イエスに注ぐ20の眼差し」に収録されている作品です。メシアンの作品は自分の中でとても思い入れが深いものが多く、この曲も何度か演奏会で演奏したことがあります。現代音楽というと奇怪なイメージをもたれる方も多いかもしれませんが、メシアンの音楽は響きやリズムを綿密に研究した結果生まれたものなので、聞けば聞くほどその巧妙さが分かるのではないかなと思います。特に本作品は、曲集の中でも規模の大きい作品で、子守歌から始まり、クライマックに向かってドラマチックに音楽が展開します。幼子イエスへの溢れんばかりの愛情が表出した作品で、まさにタイトルに相応しい音楽となっています。曲の魅力が最大限伝えられるよう精一杯演奏したいと思います。
2.あなたが、音楽の道をめざしたキッカケを教えてください。
本業は音楽ではないのですが、音楽に詳しい方と知り合う機会に恵まれ、自分でも音楽を続けてさらに深いところまで探求したいと思うようになったため現在まで音楽活動を行っています。
3.取り組んでみたい研究テーマ、挑戦してみたい、作曲家、作品は?
学業に関しては現在計量経済学に関心があります。ピアノに関しては、メシアンの「幼子イエスに注ぐ20の眼差し」の全曲演奏を目標にしています。ラヴェルの「夜のガスパール」も取り組みたいと思っている作品です。体力のあるうちにアルカンの作品にも挑戦していきたいです。
4.10年後のあなたは、どんな生活を送っていると思いますか?(夢、希望でもいいです。)
研究職を目指しているので、10年後は恐らくどこかの大学の研究室に籠っていることになりそうです。
5. 近年は、マララ・ユスフザイさん(女性教育問題)、グレタ・トゥンベリさん (地球温暖化問題)など、ごく若い人たちの発言と行動が、世界中で大きな反響を呼んでいます。そのような動向について、あなたはどのように考えますか。
1つにはメディアの発展があります。これにより若者がより簡単に、(SNSの場合は)低予算で世界中に情報発信ができるようになりました。2つ目には物珍しさと判官贔屓が考えられます。ごく若い人たちは社会的に立場が弱いと見なされる場合が多いため、「若者なのに可哀想」、「若者が活動していて大人は黙っていていいのか」といった同情に近い感情が得られます。その他には、一般大衆にとっては専門的かつロジカルなものよりも、感情に訴えかける方が分かりやすい、という点も考えられるでしょう。彼らによって心を動かされる人もいるでしょうが、心理的な効果で留まるだけ、いいねボタンを押して終わりという人も多いと思われます。視聴率が稼げる(社会的な反響を得やすいため)という理由で、彼らを商業利用する人が出現することも予想できます。結局のところ世界を変えるのは、時間がかかるかもしれませんが、学問の発展が一番効率的なのではないでしょうか。
6.塞ぎ込んだとき、どんなことで気晴らしをしますか?
あまり塞ぎ込むことがないのですが、気分が晴れないときはピアノを弾きます。何を弾くかはその時の気分と直感に任せています。
⑥ 落合真悟(チェロ)
1.今回のコンサートへの抱負、演奏する曲に対する思いなどを込めたメッセージをお願いします。
フレッシュコンサートに毎年出演させていただき、嬉しく思っています。今年はブラームスのチェロソナタに挑戦します。ブラームスは技術的にも音楽的にも難しいですが、形になるように頑張りたいと思います。
2.あなたが、音楽の道をめざしたキッカケを教えてください。
もともと音楽は小さい頃から親しんでいましたが、音楽を本格的に頑張ろうかなと思ったのは高校生の時でチェロの安田謙一郎先生にレッスンしていただくことになり、勉強をはじめました。
3.取り組んでみたい研究テーマ、挑戦してみたい、作曲家、作品は?
ドビュッシー、ラヴェルなどの室内楽作品
4.10年後のあなたは、どんな生活を送っていると思いますか?(夢、希望でもいいです。)
音楽を勉強し続けながら演奏活動ができることが理想ですが、10年先のことを予測することはとても難しいです。音楽業界の10年先を社会と音楽との関わり方や自らが音楽を続けていくためにどうあるべきかということについて深く考えるべきだと感じます。今までとは違った視点で音楽と向き合っていく必要があると思います。
5. 近年は、マララ・ユスフザイさん(女性教育問題)、グレタ・トゥンベリさん (地球温暖化問題)など、ごく若い人たちの発言と行動が、世界中で大きな反響を呼んでいます。そのような動向について、あなたはどのように考えますか。
世界規模の問題解決に向けて自ら行動する彼女たちの姿勢に同年代の私たちは影響を受けなければならないと思います。
女性教育の問題や地球温暖化の問題は世界中で議論されていますが、実際に行動を起こすことは簡単なことではなく、多くの人々は、多数派の意見や行動に呑まれ、自分の意思を持ち行動することをやめてしまいます。問題に対して、具体的な解決策を議論していかなければいけないところを多数派から孤立することへの恐怖から多数派へと流れてしまいます。
現代においては、自らの意見や行動を発信することができるツールが広がってきています。ナショナリズム的傾向に回帰するのではなく、すべての人が世界共通の問題として解決に取り組むべきであると思います。
6.塞ぎ込んだとき、どんなことで気晴らしをしますか?
お酒(ハイボール)を飲みます。
⑦ 青木 駿太(ピアノ)
1.今回のコンサートへの抱負、演奏する曲に対する思いなどを込めたメッセージをお願いします。
昨年に続き2度目の出演をさせていただけること、大変嬉しく心より感謝いたします。
今回演奏させていただくのは、リストの「スケルツォとマーチ」です。この曲は難易度が高く非常に困難な技術を要するため、現在まであまり演奏されることがなかった隠れた名曲です。かのホロヴィッツでさえ技術的な難しさを乗り越えられなかったと言われている難曲です。
悪魔的要素の強いスケルツォと勇ましいマーチの対比が効果的で、形式としてはロ短調ソナタに繋がる作品です。
この素晴らしい作品を皆さまにお届けできることを、大変幸せに思います。
2.あなたが、音楽の道をめざしたキッカケを教えてください。
母が元々クラシックが大好きで、生まれた時から家の中にクラシックが流れている環境にありました。物心ついた頃には、一流の生の音楽を聴くために、年間50回ほどのコンサートに連れて行ってくれました。
その中でラフマニノフのピアノ協奏曲第2番を初めて聴いた時、これを絶対に弾きたいと本格的にピアノを始めました。
3.取り組んでみたい研究テーマ、挑戦してみたい、作曲家、作品は?
特に、大好きなショパンの作品は掘り下げてたくさん勉強したいです。また、昨年弾いたババジャニアンは深く研究していきたい作曲家の一人です。
今年の年末にはオーケストラとグリーグのピアノ協奏曲を演奏しますが、他にも夢だったラフマニノフの協奏曲や弦とのアンサンブルにも積極的に取り組みたいと考えています。
4.10年後のあなたは、どんな生活を送っていると思いますか?(夢、希望でもいいです。)
海外で生活しながら演奏活動をしているでしょうか。
ポーランド、フランス、ベルギー、ドイツ、ロシア...色々な国へ行って勉強したいと思っているので、各々の国で演奏できたら嬉しいですね。
5. 近年は、マララ・ユスフザイさん(女性教育問題)、グレタ・トゥンベリさん (地球温暖化問題)など、ごく若い人たちの発言と行動が、世界中で大きな反響を呼んでいます。そのような動向について、あなたはどのように考えますか。
情報革命の時代とも言われる現在、私達は膨大な知識を持つことができ、通信の世界も多様なシステム機能を扱えるようになり、瞬時に多くの人とつながることができるようになりました。
この様な時代に生まれ育った若い世代は、今まで思い付かなかったような独創的なアイデアや想像力を持っていると思います。そこから生まれる発想や行動を、大人は理解しようと耳を傾けるスタンスが大事なのではないでしょうか。
6.塞ぎ込んだとき、どんなことで気晴らしをしますか?
散歩をします。とにかく何も考えず音楽を聴きながら、気の向くままに歩いていると気分がリフレッシュできます。
《過去の当コンサートの出演者による友情出演》
⑧ 田辺 いづみ(メゾソプラノ)〈2005年出演〉
今回のコンサートへの抱負、演奏する曲に対する思いなどを込めたメッセージをお願いします。
前回フレッシュコンサートに出演させていただいたのは、大学院を修了してすぐの時でした。あれから15年……もうフレッシュとは言えませんが、歳を取った分、成長した姿をお見せできたらいいなと思っております。。
⑨雨笠 佳奈(ソプラノ)〈2016年出演)
今回のコンサートへの抱負、演奏する曲に対する思いなどを込めたメッセージをお願いします。
私は4年前にこちらのコンサートに出演させて頂きました。今回こうしてまたこの場所に帰ってくることができ本当に嬉しく思っております。そして、お声をかけて頂いた中島先生には深くお礼を申し上げます。
9年前の震災以来の「自粛」という言葉が飛び交うこととなってしまった今年。歌う場所があること、歌えることがどれだけ幸せなことなのかを実感いたしました。歌えて当たり前、ホールが使えるのは当たり前、そんな平和ボケをしていた私にとっても、今回自分の認識を考え直すきっかけとなりました。
本日は歌えることの幸せを噛み締めて演奏させて頂きます。
演奏させて頂きます曲はヴェルディの代表作ともいえる、オペラ「椿姫」のヴィオレッタのアリアです。ソプラノなら誰もが憧れるプリマドンナのヴィオレッタ。自分はまだ勉強する機会はこないだろう…と呑気に構えていた私でしたが、昨年二期会オペラ研修所の修了試験にてこのオペラのワンシーンを演じる機会を頂きました。それまで自分が勉強してきた方法では全く太刀打ちできず、泣いて喚いて何度も辞めたいと思いながら、この役にぶつかりました。そして今年の二月、アンダースタディとして二期会のオペラ公演「椿姫」に携わる機会まで頂き、どんどん自分の中で彼女の存在は大きくなっていき、今では演じたい役No. 1となりました。
「道を踏み外した女」というのが「La traviata」の本来の訳し方です。娼婦としての道から反れ、真実の愛を求めて道を踏み外していく彼女の心の変化が見どころのこのアリア、今できる精一杯の演奏をさせて頂きます。
そして、本日はメゾソプラノの田辺いづみさんと「ホフマン物語」の舟唄も演奏させて頂きます。こちらの曲もきっとどこかで聞いたことがある名曲かと思います。演奏会の最後に美しいハーモニーをお聴かせできますよう、心を込めて演奏させて頂きます。
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