今回の公演に関する、出演者からのメッセージ


小野 彩波(ソプラノ) 第1部アリアコンサート出演
 はじめまして!ソプラノの小野彩波(おのさなみ)と申します。
本日はベッリーニのオペラ『カプレーティ家とモンテッキ家』より『ああ、幾度か』を歌わせて頂きます。みなさん、『カプレーティ家とモンテッキ家』ってご存知ですか?実は…『ロミオとジュリエット』です!ベッリーニがヒット作でもあります。物語はいわずと知られたロミオとジュリエットの悲恋譚です。アリア『ああ、幾度か』はジュリエットが歌うアリアです。
悲しい旋律と美しい装飾が同居する屈指のアリアです。みなさんはもし、顔も見たこともなく、愛してもない相手と今日にも結婚って言われたらどんな気持ちですか?憎しみ、悲しみ、愛した人と結婚したいという気持ちで皆様にお届けしたいです。


高橋 順子(ソプラノ) 第1部アリアコンサート出演      
 
17世紀初頭 イタリアのフィレンツェで生まれたオペラ!サロンで役者が朗唱したり その合間に歌ったりする事で 理想の芸術を見出そうと競い合っていました。
音楽芸術と文学が融合したギリシャ劇を復活させる試みが今日に続くオペラ誕生のきっかけとなったのです。オペラにおいては 最高の歌唱力の追求から ベルカント唱法が発展しました。
ベルカント唱法は 「自然で美しい声、均質な声質、注意深い訓練によって高度に華麗な音楽を発声できる」ことです。そしてさらに劇的歌唱法へと発展します。声帯という楽器を使い 声で言葉を ストーリーを表現し創り出す音楽の世界が 皆様の心に伝わりますよう 願っております。


村上 貴子(ソプラノ) 第1部アリアコンサート出演
 昨年に引き続き出演させて頂く事になり大変うれしく思っております。コンサートを盛り上げたいと練習に励んでおります。
さて今回私が演奏する曲は、モーツアルトの「後宮からの逃走」というオペラの中の一曲です。
海賊の手に落ち太守セリムに売られたコンスタンツェが、セリムに対して「どんなに苦しめても私は恋人に対する操を守るわ。どんな方法で苦しめられても笑い飛ばしてやるわよ」と強い意志と
「さあ、やってみなさいよ!」と音楽の中で笑って見せるようなモーツアルトらしい面白さのある一曲です。
後半は「ルサルカ」とのことで大変珍しい演目。出演しておりませんが私も楽しみにしております。文末になりましたが、お客様や興味を持ってくださる方々に支えられオペラコンサートも12回目となりました。お客様と関係者の皆様に心より感謝申し上げます


土屋 清美(テノール) 第1部アリアコンサート出演     
 今年は、プッチーニのオペラ「トスカ」よりテノールのアリアといえばこの曲と、言われるカヴァラドッシの歌う”星は輝いていた”とヴェルディのオペラ「リゴレット」より第2幕でマントヴァ公爵が歌う”ほほの涙が”を歌います。公爵はジルダが誘拐されたと知って歌う。心配と犯人への復讐、そしてジルダへのひたむきな愛が表されるこの歌は、公爵の真の愛を垣間見せるアリアです。
昨年もこのコンサートに出演予定でしたが、直前にドクターストップになり断念。入院手術で19日間病院のベットにいました。主治医も回診のたびに声はどうですかと、気にかけてくれます。退院後もすぐにはあまり声を使わないようにと言われ、喉も休養です。でも許可が出て昨年12月からは歌い始めました。なんだか前より声が出るみたいな、、、、。まだまだ歌います。


全 詠玉(ソプラノ)『ルサルカ』配役:ルサルカ

 本日はご来場頂きありがとうございます。
私事ではありますが、この春に出産を経験しました。妊娠期間から産後にかけて、肉体的、精神的な変化に戸惑いながらも、歌い手として改めて自分と向き合うきっかけとなりました。そして自分の人生において音楽がどれほど大きな存在なのかということに気づかされました。本日は大学院時代の同期や先輩、後輩と素敵な共演者に恵まれ舞台に立てることをとても嬉しく思います


加藤 太朗(テンール)『ルサルカ』配役:王子     
 
今回は出演者本人の事情で、メッセージ掲載を割愛させていただきます。







小林 紗季子(メゾ・ソプラノ)『ルサルカ』配役:魔女

 今回魔女役を演じます。メゾ・ソプラノはソプラノより声の幅が広いため、オペラではよく母親役や魔女役などが配役されることが多いのですが今回は魔女イェジババです。
アンデルセンの人魚姫が元になっていますが、更に愛に特化しているオペラになっています。今回はチェコ語ではなく日本語でお話が進んで行きますが、魔女がアリアの中でチュリムリフークという言葉をよく使います。これはチェコ語で日本語のチチンプイプイみたいなものです。
 ルサルカが人間になるために力を借りる魔女イェジババ。
悪役を心から楽しみたいと思います。


狩野 賢一(バス・バリトン) 『ルサルカ』配役:水の精の王 

 
本日はお忙しい中、当オペラコンサートにお越し下さり、誠にありがとうございます。第1部では様々なオペラアリアを、そして第2部と第3部ではドヴォルザーク作曲のオペラ《ルサルカ》を日本語訳詞による歌唱と台詞で、ということで、多彩な舞台をお楽しみ頂ければ幸いです。この《ルサルカ》というオペラは、元々はドヴォルザークの母国語であるチェコ語の歌詞で作られているため、なかなか上演される機会は多くないのですが、その作品を日本語訳詞に変更し、しかも台詞で繋ぎながらの短縮上演というのは、非常に珍しい、また分かりやすい試みだと思います。また今回の共演者の中には、私の大学時代の先輩や後輩、サークルの後輩、大学院の後輩や同期といった懐かしい面々も多く、私自身彼らとの共演を楽しみにしております。是非フレッシュな熱演をお楽しみ下さい。

三戸はるな(ソプラノ) 『ルサルカ』配役:外国の王女
 この度はじめてCMDJのコンサートに出演させていただくこととなり、大変嬉しく思っております。
私は今回《ルサルカ》にて「外国の王女」を演じさせていただくのですが、この役は物語の起承転結の”転”の部分に大きく関わる重要な役どころです。自由な解釈のできる役なので、どのように完成するのか楽しみながら稽古に励みました。
「ルサルカ」はあまり上演機会の多くない作品ですが、今回は日本語縮小版での公演ですので、ドヴォルザークの素晴らしい音楽を気軽に楽しんでいただけるかと思います。

西田 祐樹(バリトン) 『ルサルカ』配役:森番
     
  
今回がオペラ初挑戦!!初めて経験するオペラの稽古場。
練習を重ねるごとに共演者それぞれの音楽が融合し、一つの作品が出来上がっていく。積み重ねた時間がチームワークを高めて、明るく華やかな色に音楽が変わっていく。全ての過程が新鮮で、初めて見る光景でした。
 一つのオペラ作品を作りにあたって沢山の時間が必要ですが、何より出演者が懸命に成功させる一心を持ち続けることが聴いてくださるお客様の喜びや感動に繋がるのだと思います。
本日共演者で積み重ねた一つのオペラを楽しんで頂きたいと思っております。


珍田 さほり(ソプラノ) 『ルサルカ』配役:料理人の少年
 人魚姫は誰しも一度は読んだことのある、アンデルセンの有名な童話だと思います。
人間の王子に恋をした人魚姫、最後は泡になって消えてしまうという悲しい結末となってしまいますが、その儚さが物語の美しさを表しているのではないかと思います。
ドヴォルザーク作曲の、歌劇『ルサルカ』はスラブ神話に登場する水の精の名前です。
チェコの神話と童話の融合したこのオペラは、童話の持つ儚さと、チェコならではの美しい音楽の傑作ではないかと思います。
あまり知られているオペラではありませんが、今回のこの日本語上演を通じて、皆様に好きになるきっかけとなっていただけたら、とても幸いです。
私の演ずる、料理人の少年は原作には出てこないオリジナルですが、少年と森の番人がストーリーを進めて行く、オペラの中でとても重要なキャラクターとなっています。快活だけどちょっぴり怖がりな少年を演じます。最後までどうぞ、このオペラの世界をお楽しみください。


原田 智代(ソプラノ) 『ルサルカ』配役:森の妖精 1     
 本日はこのような舞台に出演できることを大変うれしく思います。「ルサルカ」は題名やアリアが有名ですが、お話すべてを知る機会は私は今までありませんでした。人魚姫のお話と言っても、童話などのお話とは少し異なりますが、音楽が描く美しく、時には不気味で怪しげな情景を「ルサルカ」のストーリーと共に、膨らませて聴いて見ていただきたいです。私 は森の妖精を歌わせていただきます。空に舞う暖かい風や森に響く木霊。湖面を揺らしたり、小鳥をびっくりさせて起こしたり、花の種を運んだり、そんないたずら好きな妖精を演じられるよう努力していきます。素敵な舞台になるように心をこめて歌わせていただきます。

小松 美紀(ソプラノ) 『ルサルカ』配役:森の妖精 2     
 今回若輩ながら「ルサルカ」にて森の妖精Ⅱ役のお話をいただきましたこと、本当に嬉しく思います。実力派のみなさまとご一緒で緊張しますが、ここはよく勉強させていただこうと思っております。
 私事ですが、夏休みに日光の中禅寺湖に行きました。湖は、濃い緑と青白い霧で覆われていました。少し肌寒くて、不気味なのです。しかし森の中を散策すると露がきらきらしていたり、木がさわさわ音を立てたりして、とてもきれいでした。
 森の妖精は人間ではありません。自然の中にあって美しさも恐ろしさも兼ね備えたモノなのかなあと感じました。中禅寺湖にも妖精がいるのかもしれません。ほう、ほう、と木霊のように歌いはじめる妖精が不気味に映るのか可愛く映るのか、とても楽しみです。
 この度、演奏の貴重な機会をいただき、中島先生はじめ皆様に改めてお礼申し上げます


三矢 茉璃(ソプラノ〈メゾ・ソプラノ〉) 『ルサルカ』配役:森の妖精 3    
 本日は、オペラコンサート「許されざる愛の物語」にお越しくださり、ありがとうございます。この度、森の妖精のメゾソプラノパートを担当させていただきます。最初にお話をいただいたときには、私がこの役を引き受けて良いのかという迷いがありました。というのも、大学時代までは、メゾ・ソプラノとして歌っていたのですが、現在ではソプラノで活動しているため、低音部分でしっかり声を出すことができるのか、バランスの良いアンサンブルにできるのかという不安があったからです。しかし、稽古を積むにつれ、学ぶことが多く、特にアンサンブル部分では、低音部の動きをどう表現するか、全体の音のバランスはどうかということを考えながら、メンバーと音楽を作り上げていくことは、大変有意義なものとなりました。妖精の美しくも妖しさのあるハーモニーをお聴きください。


佐藤 光政(バリトン) 総合司会& 『ルサルカ』配役:大気の精
   
 今回、“大気の精”と言う。本来の作品にはいない“進行係(?)”という役柄で参加する事になりました。若手のバリバリの現役の歌い手達のその“声”を、客席の皆様達とご一緒に楽しめる事は、嬉しい限りであります。さあ、間もなく開演デス!。



亀井 奈緒美(ピアノ)    
 私がこの音舞会のオペラに携わるようになったのは2005年、今から12年前。その間、抜粋も含めオペラの演目は10作品。カルメンとメリーウィドウは2回ずつやっているのだが、12年目の11作品目が、ドヴォルザークの『ルサルカ』。とにかくあの有名な美しく壮大な素晴らしい「新世界」を作った作曲家なので、そのオペラのオーケストラ伴奏をピアノに書き直すと10本の指で、その速度でその音の多さはあり得ないという楽譜だった。だいたい、オペラのスコア(ピアノ版)は全てを音にすると時にはうるさいため、必要な音を選んで自分で割愛して弾くのだが、今回はドヴォルザーク特有の美しい和声をどのように残して、歌と一緒になった時に綺麗に聞こえるのかを考えて、作曲の友人にもアドヴァイスをいただいた。いつものことだが、この会はそれこそあり得ない短い期間で演奏者に作らせる。今回のメンバーは皆、とても素晴らしい力のある方々のため、もう少しあわせる時間があったらもっと聴こえてくる音を整理できるのにと思う。
当日、素敵なメンバーそれぞれが、その役と共に素晴らしい魅力を皆様にお届けできますよう、どんな場合にも支えられるよう、ピアノ伴奏でもこのオペラなかなか良かったと思っていただけるように、最後の最後まで出来る限りの努力をしようと思う。 そしてご来場いただいた全てのお客様に素敵な『ルサルカ』がお伝えできますように。


島 信子 (ソプラノ):演出

 オペラ「ルサルカ」を初めて観ると、まず王子が優柔不断という印象を受けるかもしれない。
王子サイドでこのオペラを見てみると、ルサルカと初めて出会った時に、一目で恋に落ちて
城へ連れ帰ったが、派手で気の強い「外国の王女」の積極的なアプローチに心変わりし、一度は愛し合ったルサルカを裏切ることとなる。それを 水の精Vodnikに呪われ、王子の死を以ってその呪いを解くこととなる話である。
 一方 水の精ルサルカは、いつも森で見かける王子に恋をし、自分の世界(身分)を捨ててまで、「人間」になり 王子と出会いたいと願い、それが許された。「人間」になる代償として「話せない」カルマが付いていたルサルカを、丸ごと愛せなかった王子には、呪いがかかる。その報いは「王子の死」をもってのみ解かれる。王子を愛するルサルカには非情な運命となり、最後は二人「再び愛し合う」という皮肉な物語である。
人間からは妖精の世界が見えないが、妖精たちからは人間の世界が見えている。人間たちの振る舞いには因果応報があり、絶えず「天」に見られているということを、肝に銘じて生きなければならない。自分たちの住む地球、宇宙を大切にし、驕らず、欲張らず、分け合っていかねばならない。
自分たちの住む地球、宇宙を大切にし、驕らず、欲張らず、分け合っていかねばならない。 こんなことを考えさせられるオペラである。





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