深沢亮子(ピアノ・本会代表委員)

 千葉県東金市出身。3才より両親からピアノの手ほどきを受ける。10才で故永井進氏に師事。12才で全日本学生音楽コンクール小学校の部で全国第1位、文部大臣賞を受賞。
15才のとき第22回目本音楽コンクールで首位受賞。ヤマハホールにて国内デビューリサイタルを開催。また、日比谷公会堂にて上田仁指揮、東京交響楽団とウェーバーのコンチェルトシュテュックを協演。17才でウィーン国立音楽大学に留学、グレーテ・ヒンターホーフアー教授に師事。在学中にガスタイン賞を受賞。1959年同校を首席で卒業し、ウィーン楽友協会のプラームス・ザールにおいてデビューリサイタルを開催し、クリーエ誌他10誌余りの新聞や聴衆から絶賛された。ムズィークフェライン黄金の間やコンツェルトハウスでは、オーケストラのソリストとして度々演奏を行う。1960年ベーゼンドルフアーコンクール2位入賞。1961年ジュネーブ国際音楽コンクールで1位なしの2位入賞。ヨーロッパの主要ホールでのリサイタルや放送、オーケストラとの協演にて成功を収める。1963年大阪
府民劇場奨励賞を受賞。その後もオーストリアを始めドイツ、デンマーク、スウェーデン、ベルギー、フランス、スイス、イタリア、ハンガリー等のヨーロッパ諸都市やブラジル、韓国、台湾でも演奏し、日本の現代作品も積極的に紹介している。
 この間、海外で共演したオーケストラは、スイス・ロマンド管弦楽団を始めウィーン・N.O.トーンキュンストラー管弦楽団、ウィーン室内管弦楽団、グラーツ・フィルハーモニー等の定期演奏会や、ハンガリー・ショプロン交響楽団、ミュールハウゼン・フィル、バーゼル・コレギュウム楽団他多数のオーケストラと協演。又、指揮者とは、A.クヴァドウリー、H.ヴァルベルク、L.マタチッチ、Z.コシュラー、E.メルツエンドルフアー、B.クロブチヤー、R.ヘーガー、0.マツエラート、G.ヴァント、J.ローゼンシュトック、R.レッバード、K.エツティー、K.エスタライヒヤー、秋山和慶、朝比祭隆、岩城宏之、小沢征爾、
 渡辺暁雄他の各氏と協演。室内楽の分野でも意欲的な活動を行っており、特に新・旧のウィーン八重奏団、フィルハーモニア・クァルテツト、ウィーン室内アンサンブル、ブリュッセル弦楽四重奏団等と度々共演するなど国際的な舞台で活躍している。一方、国内では毎年開催する自主リサイタルを始め各地で数多くのリサイタルや室内楽演奏会を行う。国内オーケストラとの協演は、N響を始め大阪フィル、九響、京響、札響、新星日響、東響、都響、東京フィル、日本フィル、読売日響、ニューフィル千葉、名古屋フィル、広響、山響の定期演奏会・特別演奏会に出演。NHKや民間放送局のラジオ、テレビヘの出演。数多くのレコードやCD、著書、楽譜の出版。全国各地での公開レッスンや公開講座。毎年開催される蓼科高原音楽祭での講師。又、国際音楽コンクール、日本音楽コンクール、全日本学生音楽コンクール他の審査員を務めるなど、極めて多方面にわたる活動をしている。更に後進の指導にもあたり、次代をになう若手ピアニストが育っている。1989年、1993
 年、2001年ウィーンでのベートーヴェン国際ピアノコンクールの審査員を務める。又、1992年には国際交流基金より音楽文化使節として派遣され、ルーマニア、チェコ、スロバキア、ブルガリアへの演奏旅行に出かけ10回の演奏会とラジオ、テレビ放送に出演し、大きな成果をあげた。1998年9月ケルン日本文化会館の招きにより同ホール及びウィーンにてコンサートを行う。2000年には楽壇生活45周年記念のCDがアートユニオンより発売され好評を得る。本年9月には中国の北京中央音楽院の招きによりリサイタル及び公開レッスンを行う予定。1995年千葉県文化功労者。
日本音楽舞踊会議代表委員。本年3月まで洗足学園魚津短期大学音楽科客員教授。